総量規制とは?|例外や対象外のローンも解説!

総量規制とは?|例外や対象外のローンも解説!

消費者金融からお金を借りる際、年収の1/3までしか借りられないって知っていますか?
実は、消費者金融などの貸金業者には、年収の1/3までしか貸してはいけないという、総量規制という法律が適用されているのです。

このページでは、「お金の借り方編集部」がこの総量規制という法律について、特徴から、例外となる場合、そして銀行は対象となるのかといったことまで、詳しく解説していきます。

総量規制とは

総量規制とは、貸金業法という法律の中の項目で

貸金業者がお金を個人に貸す際には、個人の年収の1/3までしか貸してはいけない

と定められた規制のことです。

例えば、年収が300万円の人であれば、貸金業者からは300万円の1/3である、100万円までしか借りられないということになります。

これは、一つの業者からではなく、全ての貸金業者から貸している分を合計して100万円までしか借りられないという意味です。

つまり、年収300万円の人が仮に

A社:20万円 B社:50万円

のお金を貸金業者から借りている場合、残りの借入可能な額は30万円までとなります。

貸金業者は銀行とは違うの?

貸金業者とは、お金を貸すことで利益を上げている業者のことで、主に消費者金融クレジットカード会社などがあります。

「え?銀行は貸金業者じゃないの?」

はい、銀行は貸金業者ではありません。

銀行は、貸金業法ではなく、銀行法という別の法律が適用されているために、総量規制の影響を受けません。

この貸金業者についての説明は、後半で詳しく説明していくので、それまでは消費者金融クレジットカード会社のことだと思って読み進めてみてください。

つまり、総量規制とは

消費者金融やクレジットカード会社は、個人に年収の1/3までしかお金を貸してはいけないという規制

ということになります。

貸金業者について先に詳しく知りたいという方はコチラ
貸金業者とはなにか?

総量規制は、2010年に貸金業法が改正された際に、新しく追加された項目で、債務者を助けるために作られました。
なぜ、この総量規制という項目が追加されたのかというと、当時、多重債務者の増加が深刻な社会問題になっていたからです。

当時の貸金業者は、年利20%を超えるグレーゾーンな金利で過剰な貸付を行い、返済ができない人には非常に悪質な取り立てを行っていました。
多重債務状態でまともな生活を送れない人や、経済的理由で自殺をする人の増加を防ぎ、債務者を守るために、貸金業法が改正されたのです。

そして、その改正の中の一つとして総量規制が始まりました。

現在では、規制が非常に厳しくなっており、きちんと認可された貸金業者であれば悪質な取り立てなどがされることは一切ありません。
規制を破ると、貸金業者は短期間の業務停止や、認可取り消し処分まで受ける可能性があり、現在では融資に非常に慎重になっているので安心して利用することができます。

年収はどこまでが含まれるの?

さて、ここからは先程の総量規制の内容をより詳しく見ていきましょう。
「年収の1/3までしか借りられない」とありましたが、年収とはどこまでが含まれるのでしょうか。

主に年収には、以下の4点が含まれます。

給与

給与収入とは、税金や保険料が引かれる前の総支給額のことを指します。
つまり、手取りの金額ではなく、額面での収入が給与に当たります。

年金

公的年金、私的年金にかかわらず、年金の受給は年収として換算されます。

事業所得

何らかの事業を運営する個人事業主の場合、収入から必要経費を引いたものを事業所得として年収に換算します。

不動産収入

不動産を貸出している場合、その賃貸収入と、敷金・礼金などの金額全てが収入に含まれます。
これらの総収入から、修繕費などの必要経費を抜いたものが年収として換算されます。

年収と他社借入状況は自己申告

貸金業者に申し込みを行う際、基本的に年収と他社借入状況は自己申告で行います。

ですが、以下に該当する際には、別途収入証明書の提出が必要になります。

  • 同一業者から50万円以上借りる場合
  • 他社との借り入れとの合計額が100万円を超える場合

主な収入証明書としては

  • 給与明細書(直近二ヶ月分)
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書

などがあります。

申込みの際には、年収と他社借入状況を自己申告で行いますが、絶対にウソをついてはいけません。

貸金業者は、総量規制に引っかからないように、顧客の情報をFINE(ファイン)という独自のネットワークにて共有しています。
ウソを付いてもすぐバレてしまう上に、ウソをついたということで審査に落とされる可能性があります。

ここまで総量規制とはなにかについてご説明してきました。
次は、この総量規制が適用されない、「例外」と「除外」になる場合に関して詳しく説明していきます。

総量規制の「例外」と「除外」ってなに?

「どんなときでも年収の1/3までしか借りられないの…?」
「緊急でお金が必要になった場合は…?」

ここまで、総量規制について詳しくご説明してきましたが、上のような疑問が浮かんだ方もいらっしゃると思います。

総量規制には、規制対象外となる「例外」と「除外」という項目が設定されています。
まずは「例外」から詳しく見ていきましょう。

総量規制の例外となる場合は?

例外とされるのは以下の場合です。
顧客に一方的有利となる借換え
緊急の医療費の貸付け
社会通念上緊急に必要と認められる費用を支払うための資金の貸付け
配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付け
個人事業者に対する貸付け
預金取扱金融機関からの貸付けを受けるまでの「つなぎ資金」に係る貸付け
(施行規則第10条の23第1項各号)
引用(http://www.0570-051-051.jp

例外とは、総量規制の貸付残高には組み込まれるものの、例外的に年収の1/3を超える部分の貸付を認めるということです。

ここでは例外となる重要な部分をわかりやすく説明していきます。

借り換えとおまとめローン

「顧客に一方的に有利になる借り換え」とは、借り換えとおまとめローンのことを指します。

まず、借り換えとは、今借りている業者よりも金利の低いところに借金を借り換えることによって金利を安くし、総返済額を減らす方法のことです。

おまとめローンとは、複数の業者からお金を借りている際に、より金利の低い一社に全ての借金をまとめる方法のことです。
おまとめをすることで、総返済額が減るうえ、借金元が一つになるために返済がしやすくなります。

緊急時の医療費とその他の費用

「自分、もしくは親族の方が急に病気で倒れてしまったけど、お金がない」

このような場合にも、総量規制の例外として、年収の1/3以上であってもお金を借りることができます。
銀行のカードローンでは、お金を借りるまでに時間がかかりますし、緊急だと貸金業者から借りるしかないですよね。

また、葬儀費用やなんらかのトラブルによって発生した費用など、社会通念上、緊急に必要であると考えられる費用も例外扱いとなります。

事業資金

個人として借りるのではなく、個人事業主として事業で使う資金を借りるのは総量規制の例外となります。
これら3つが、主な「例外」ですが、いずれも融資を受けるには十分な返済能力がある必要があります。

次は、総量規制の「除外」に関してご説明していきます。

総量規制の除外となる場合は?

総量規制の「除外」となるのは以下の場合です。
不動産購入または不動産に改良のための貸付け(そのためのつなぎ融資を含む)
自動車購入時の自動車担保貸付け
高額療養費の貸付け
有価証券担保貸付け
不動産担保貸付け
売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付け
手形(融通手形を除く)の割引
金融商品取引業者が行う500万円超の貸付け
貸金業者を債権者とする金銭貸借契約の媒介
(施行規則第10条の21第1項各号)
引用(http://www.0570-051-051.jp

総量規制の除外とは、該当する借り入れを行っている場合でも、その貸付額は総量規制の対象に含まれないことをいいます。

ここでは、除外となる重要なポイントを説明していきます。

住宅ローン

土地や建物などの不動産を購入する際に組む住宅ローンは、総量規制の貸付に含まれません。
また、注文住宅を購入する際には、住宅ローンを組む前に前払金や中間金を払う必要があるかと思います。
そういった、住宅ローンを組むまでにかかるつなぎの費用も、同様に含まれません。

担保のある貸付

不動産や、自動車、有価証券等を担保に入れて借り入れを行っている場合も、その金額は総量規制の貸付に含まれません。
また、売却予定の不動産がある場合、その不動産を売却することによって返済できる貸付も同様です。

高額療養費の貸付

自分もしくは同一生計の家族が、何らかの病気で高額な治療をする際のかりいれも、総量規制の貸付額には含まれません。
除外となるのは、高額療養費制度の自己負担部分を超えた部分のみになります。

高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、1ヶ月に自己負担する医療費の上限を定めて、それを超えた部分が給付されるという制度になります。
自己負担を超えた部分は後で戻ってきますが、一旦高額な医療費を支払う必要があります。
この支払いに充てるためにお金をかりる場合は、総量規制の除外に該当します。

銀行・クレジットカードのショッピング枠は総量規制対象外

実は、銀行やクレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象には含まれません。
それぞれについて詳しく見ていきましょう

銀行カードローンは年収の1/3以上でも借りれる

年収の1/3以上の借り入れを行いたいという場合は、銀行であれば総量規制の対象外となるので、借り入れを行うことができます。
総量規制は貸金業法という法律で定められているのですが、これは貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社など)にのみ適用される法律です。

銀行は、銀行法という別の法律が適用されているため、総量規制が適用されません。
ただし、銀行の審査は消費者金融よりも厳しいという点は覚えておきましょう。

クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象外

先程、クレジットカード会社は貸金業者であると述べましたが、クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象には含まれません。
これは、ショッピング枠には割賦販売法という別の法律が適用されているためです。

もちろん、キャッシング枠は総量規制の対象に含まれているので、他で新たに借入を行う場合には、年収の1/3を超えないように注意してください。

ここまで、総量規制の適用範囲外のケースを説明してきました。

次からは、最初に少しふれた貸金業者とはなにかという点について解説していきます。

貸金業者とはなにか?

ここでは、貸金業者とはなにかについて、具体的にご説明していきます。
貸金業者とは、

貸金業法により、行政の認可を受けてお金を貸す業務を行っている業者のこと

を指します。

銀行(信金・労金などを含む)は、銀行法という別の法律によって認可されているので、貸金業者には含まれません。

消費者金融以外にも貸金業者ってあるの?

冒頭の方では、消費者金融やクレジットカード会社とご説明しましたが、それ以外にも貸金業者は存在するので、なにが貸金業者であるのかをご説明していきます。

消費者金融

貸金業者といえば消費者金融を思い浮かべる方も多いと思います。
消費者金融では、個人向けにカードローンなどでお金を貸して利益を得ています。

クレジットカード会社

クレジットカード会社は、買い物の建て替えだけでなく、キャッシング業務も行っているので貸金業者に含まれます。

リース会社

リース会社とは、顧客が選んだ商品を代わりに購入し、貸し出す業務を行っている会社のことですが、一部のリース会社では企業向けに融資も行っているために、貸金業者として登録されています。

事業者金融

事業者金融は、商工ローン、ビジネスローンとも呼ばれており、中小企業の経営者などに事業資金を貸し付ける業者のことです。

これら以外にも、土地を担保に融資を行う証券抵当業や、最近話題のクラウドファンディングサービスなどが貸金業者にあたります。

ここまで、貸金業者はどのようなものがあるかをご説明してきましたが、世の中には闇金と呼ばれるような、違法な貸金業者が多数存在しています。
次からは、違法な貸金業者にだまされないように、見分け方について解説していきます。

違法な貸金業者はどう見分ければいい?

総量規制ができたことによって、貸金業者から年収の1/3までしか借りることができなくなったため、多重債務の問題は少しずつ解消されています。

しかし、反対に総量規制いっぱいまでお金を借りていて返済に困った人が、行政の認可を受けていない闇金に手を出してしまったりしています。
闇金や、違法な業者からお金を借りるのは絶対にやめておきましょう。

そこで、ここでは、行政にきちんと認可を受けている貸金業者と、違法な貸金業者の見分け方を解説していきます。

クレジットカードの現金化を宣伝している

クレジットカードの現金化とは、カードを使って高額なものを買い、すぐに売るなどして、現金に変えることを指します。
クレジットカードのショッピング枠は総量規制に含まれないため、「これ以上お金をかりれない…」という人でも、現金を手にすることができてしまいます。

これを使って、違法な貸金業者は、手数料を取ることでこのカードの現金化を斡旋しているのです。

しかし、クレジットカードの現金化は明確な犯罪行為です。

カードで買ったものは、翌月の決済が行われるまで、所有権はカード会社にあります。
そのため、個人でこのような行動を行ったとしても、本来犯罪行為となります。

クレジットカードの現金化を宣伝している業者は間違いなく、認可を受けていない違法な業者となります。

貸金業者の登録番号を探す

行政に認可されている貸金業者であれば、HPに必ず貸金業者登録番号が、

「関東財務局長(3)第◯◯◯◯号」

というように記載されています。
このカギ括弧の中の数字は、3年に1度の更新を何回行ったかを表しており、(3)であれば、少なくとも9年前から続いている業者ということになります。

この数字が1や2であると、闇金である可能性もあります。
また、ニセの番号が使われていることもあります。

その場合は、金融庁の「登録貸金業者情報検索」ページで、本当に登録が行われているかをチェックしましょう。

ここで、登録番号や電話番号を入力する欄があるので、検索をしてみて登録がなかったら、違法業者ということになります。

金融庁HPより引用(https://clearing.fsa.go.jp

ここでは、貸金業者の説明から、違法な貸金業者の見分け方までをご説明してきました。

自分では、「絶対に悪質な業者は使わない」と思っていても、いざそのような立場に置かれると迷ってしまうものです。
気がついたら、「限度額いっぱいまでお金を借りてしまっていた」なんて失敗がないように、借りている額はきちんと把握して計画的に利用しましょう。

まとめ

このページでは、総量規制の説明から、総量規制対象外のローン、そして貸金業者の説明までを行ってきました。
簡単におさらいをしますが、総量規制は「貸金業者(消費者金融など)は、個人に年収の1/3を超える融資をしてはならない」という規定です。

例外や除外の項目としては、借り換え・おまとめローンや、住宅ローンなどがあります。
また、銀行カードローンや、クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象には含まれません。

年収の1/3までとは言っても、貸金業者の高い金利で借りると、相当な利息を支払うことになります。
借金をする際には、なるべく短期間で、自分が管理できる金額に留めておきましょう。